シャタバリは女性のためのハーブ? 薬草学2

シャタヴァリは、女性のためのハーブというイメージが非常に強いですが
それだけではありません。

アーユルヴェーダではどのように言われているかをまとめてみました。

その前に、よくある質問として、いつ、どのくらいの量を飲めばいいの?と聞かれます。

シャタヴァリはいろんな用途で使われるので、何を求めるかによって、多少、飲み方が変わります。 一般的な用途、アンチエイジングや子宮への滋養などでは、

小さじ1/4から1/2を1日1~2回、1~2g。
牛乳、または温水と混ぜて。ただし、このハーブにはグルグナ(重い性質)があるので、
消化力の弱い人は胃の不快感や、重いといった感じをもつかもしれません。

そういう場合には、熱湯の中に粉を入れ、数分置いて、粉が沈んだらお茶のようにして飲むか、または熱いお湯にいれて、ミルクを入れて、めしあがってください。

逆に消化力が強い方は一日当たり3~6グラムを食事の30分前に分けて飲むこともできます。 夜眠る前の ホットミルクに混ぜて飲むこともできます。

皆さんの消化力にあわせて、できれば空腹時に温めたミルクと(砂糖)ともに召し上がっていただくのが効果的といわれています。

砂糖と一緒に摂るとよいと古典書には書かれています。

砂糖とミルクとともにとると、体力をつけ、若返りの力が増して非常に良いといわれる珍しいハーブですので、砂糖がOKのひとは、是非そうしてください。

私的にはてんさい糖と一緒に摂るのをお勧めしたいです。 シャタヴァリやてんさい糖に含まれるオリゴ糖は腸内細菌叢を整え、それによって増える酪酸菌は免疫機能をバランスさせ、老化や病気のもとになる体内の炎症を抑えることが分かってきました。その効果も一緒にいただいてしまいましょう。

( てんさい糖のGI値は「65」。中GI値食品のため血糖値の上昇がゆるやかで、いわゆる「血糖値スパイク」を起こすこともありません。)

アーユルヴェーダでは シャタヴァリカルパといって、砂糖にシャタヴァリの成分をしみこませたものがお薬のように使われています。 みんな大好きなお薬です。
おいしいし(*^-^*)。

現代医学を併用する考え方では昼食後と夕食後の2回飲むことをお勧めしているドクターも多いようです。

これは、シャタヴァリを必要とされ飲まれる方の多くがヴァータが高い傾向があって、消化力が不安定な場合が多いからだと思われます。ですので、消化に問題がない場合には、空腹時に、胃に重さを感じるようなら食後に・・という感じでよいのかと思います。

では、シャタヴァリの使われる場面を紹介したいと思います。

・胃炎などの消化器系の病気・媚薬効果・
アンチエイジング効果のためにクシーラパーカ(牛乳で煎じて)

・そのシータヴィールヤ(冷却作用)とティクタ・ラサ(苦みの性質)によって
血液の不均衡を改善し皮膚の状態を良くする(ニキビなどの改善)。
ホルモンバランスの乱れによるニキビにも良い。
(お肌の若返りのために外用にも使われます。ミルクと混ぜてペーストにしたものはしわの改善に効果的といわれています。 ただし、もし試されるのでしたら、必ずパッチテストをしてくださいね。)

・インドでは市場に出回っているほぼすべてのハーブ授乳促進薬には主たる成分として
シャタヴァリが含まれている。

・出産後の子宮の正常な退縮をたすける。授乳期に使用するのに理想的なハーブ。
母乳の生産を改善するだけでなく、母乳の栄養価をたかめる。
一部の女性には胸のサイズを高める可能性がある。

・・・と、ここまで書くとやっぱり女性のハーブ?というかんじですね(;^_^A

・シータヴィールヤ(冷性の作用)とアンチエイジング効果により、
疲労を素早く回復し、筋肉量を改善。

・非常に優れた神経強壮薬。 てんかん、統合失調症、神経障害に有用。

・視力の回復、目の病気に良い(ネートラヤ)

・糖尿病性神経障害の緩和に非常に役立つ。

・アンチエイジングハーブである。

様々なアーユルヴェーダの教科書でシャタヴァリを説明するのに以下の用語が使われています。

・Ayushya(アーユッシャヤ) 寿命を延ばす

・Vaya Sthapani(ヴァヤスターパニ) 老化を遅らせる

・Rasayana vara(ラサーヤナバラ) ラサーヤナハーブの中で最大のもの
(*ラサーヤナとは若返り法、もしくはそのためのドラヴィヤ(物質/薬草)のことです)

・Shukrala(シュクララ)(精子と精液の量と質を改善するもの)
ヴァージカラナ・ハーブ(強精・媚薬効果のあるハーブ)はラサーヤナ(若返り)ハーブも兼ねるものが多いです。

・Vrushya (ブルッシャヤ)媚薬

・Kshyajit(クシャヤジット) 慢性呼吸器疾患 結核に

・Asrajit (アスラジット) 血液疾患に有効

・Stanyada(スタンニャ) 母乳の生産を改善する

・Medhya (メッディヤ)  知性を改善する(記憶力の向上)
             ダーラナシャクティ=記憶を保持する力を持つ

Pushtida(プシュティダ)  栄養価が高い/栄養状態を改善

Chakshushya(チャクシュシャヤ) 視力を改善する、目に良い

Pittasrahara(ピッタスラハラ) 出血性疾患に良い

Atisarajit (アティスラジット)下痢を和らげる

Shophajit (ショータジット)炎症を軽減する

Retodoshahara(レトドーシャハラ) 精子の可動性を改善

Garbhaprada(ガルバプラダ)不妊を改善する

Kshataksheenahara(クシャタクシーナハラ) 出血を伴う損傷を癒す

おまけ

今回改めてシャタヴァリを調べていて、こんな記述も見つけました。

シャタヴァリの新芽(Shatavari Ankura)は カパとピッタを鎮静する。
(トリドーシャハラ 全てのドーシャを鎮静するというものもある。)

マドゥラ・ティクタ ラサ(甘味と苦み)

媚薬効果と枯渇した身体組織、慢性呼吸器疾患に有効(Kshyapaha)

 シャタヴァリの芽には苦味があり、
本質的に媚薬効果があり、3つのドーシャすべてを緩和します。
Bhojana kutuhalam 13章

スリランカではシャタヴァリはハータワリヤと呼びますが、
葉っぱの粉をおかゆ状にしたものが売っています。
媚薬効果のあるものはだいたい、バリャ(体力向上)の効果も高いですから
そういうことだったんですね(*^-^*)

今回私の中では シャタヴァリは Rasayana vara(ラサーヤナバラ)= ラサーヤナハーブの中で最大のもの という言葉がとても響きました。