ブリンガラージャはタカサブロウ?それともアメリカタカサブロウ?

この2種は、かつては同種とされていました。
なので、結論から言えば、それほど こだわらなくてよいと思われます。

では、ややこしいですが、もう少し詳しく解説しましょう。

タカサブロウ
 相対的に茎は(赤) 鋸葉細かく不鮮明 種の縁は平滑で翼状。
学名: Eclipta prostrata auct. non (L.) L. /  Eclipta thermalis

アメリカタカサブロウ
 相対的に茎は赤みが薄い(白) 鋸葉鮮明 種のふちに翼がなく菱形。
学名  Eclipta alba

Eclipta albaは Eclipta prostrata (L.) と別種とする1998年の見解もあるが、
USAD、KewscienceではEclipta alba (L.) Hassk.を同義語とし、
Eclipta prostrata を学名としている(2012年)。

この2種の植物は近年まで同じ植物と考えられてきましたが
Eclipta prostrataとE.albaはともに一年生の薬草であり、中国の薬用強壮剤として使用されています。どちらの種も、熱帯および亜熱帯地域にも広く分布しています。
両方の種は類似した形態学的特徴を持っていますが
Eclipta albaはEclipta prostrataと比較してより滑らかな葉身縁を持っています。

どちらの種も東洋医学として利用されていますが、E.prostrataはE.albaよりも広く使用されています。

https://mikawanoyasou.org/data/amerikatakasaburou.htm

また

現代のアーユルヴェーダの薬草学で、最も信頼できるとされている文献

『AYURVEDIC PHARMACOLOGY AND THERAPEUTIC USES OF MEDICINAL PLANTS』

ではアメリカタカサブロウの学名であるEclipta albaがブリンガラージャとして採用されています。しかし、私がインドやスリランカに行った時に薬草園などで実際に見てみると
タカサブロウEclipta prostrataも多く見受けられました。

医学論文でも、両者ともに、とても研究されています。

例えば、毛髪の活性試験では、それぞれに別の実験で、別の研究者によって、効果が確かめられています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19481595/
アメリカタカサブロウ(Eclipta alba)のメタノール抽出物が発毛促進剤としての可能性

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30757935/
タカサブロウEclipta prostrataが毛包の成長を促進し、FGF-7とFGF-5の調節を通じて髪の成長を促進する可能性がある

もともとアメリタカサブロウは名前の通り新大陸のもので、アジアでは帰化植物とされていますから、ここはあまりこだわらなくても良いかと思います。

中医学でもタカサブロウはアーユルヴェーダでいわれている効果と
重なり、非常に優れた効果があるとして採用されていますが、そこで使われているものは
Eclipta thermalis(=Eclipta prostrataのシノニム(同義語) タカサブロウ です。

タカサブロウはアメリカタカサブロウと同種と考えられてきましたが、近年の研究で別の種とされてからはモトタカサブロウ と、アメリカタカサブロウと分けて呼ばれるようになってきました。

もだま工房では今後、両者や、いろいろな産地のものを比較し、
より私たちが使うのによいものに順次グレードアップさせていきたいと考えていますが
2022年現在、明確な違いを見出していないので、今は混同した状態のままで使わせていただいています。