アルジュナと医薬品の相互作用について

アルジュナはとてもパワーのあるハーブですから、とても魅力的ですね。
でも、ちょっと待ってください。

持病をお持ちで、すでに何らかのお薬を飲まれている方は注意しなければいけないことがあります。

例えば血圧が高いので、高血圧の薬を飲んでいるとしましょう。
それにプラスして血圧を下げるハーブを摂ってしまったら、ダブルで血圧が下がって、下がりすぎて倒れてしまうかもしれないですよね。 

また、飲んだお薬はある程度時間がたつと肝臓の機能によって分解、排泄されますが
、その分解を阻害する酵素がハーブによってもたらされ、想定以上に薬が効きすぎてしまったり、ということが起きることがあります。
このような薬の効果が増強したり、また逆に効果が打ち消されてしまうことを相互作用といいます。

以下に、現代医学で使われるお薬との相互作用についてまとめてみました。
糖尿病や高血圧のお薬のみならず、何らかのお薬を飲まれている方はご自身の服用しているものがないか、一応チェックしてみてくださいね。

糖尿病治療薬(抗糖尿病薬)

アルジュナは血糖値を下げる可能性があります。
糖尿病治療薬は、血糖値を下げるためにも使用されていますので
一緒にアルジュナを服用すると、血糖値が低くなりすぎる可能性があります。

この相互作用がどのくらい心配しなければいけないことなのかは
人によって異なるため、はっきり示すことができません。

ですので、血糖値を注意深くモニタリングする必要があります。
またお薬の量を調節しなければいけなくなるかもしれませんから、
主治医の先生によく相談の上、飲まれることをお勧めします。

またどんなに良いものでも、体は急激な変化を嫌います。まずは推奨量よりも
ずっと少ない量から始め、体に特別な反応がないか確認してください。

以下の薬は相互作用(薬の効果が強く出る)の可能性があります。

糖尿病に使用される薬

グリメピリド(アマリール)、
グリブリド(ダイアベータ、グリナーゼ・プレスタブ、ミクロナーゼ)、
インスリン、ピオグリタゾン(アクトス)、ロシグリタゾン(アバンディア)、
クロルプロパミド(ディアビネース)、グリピジド(グルコトロール)、
トルブタミド(オリナーゼ)など

血液凝固を遅らせる薬(抗凝固薬/抗血小板薬)

いわゆる血液をサラサラにするというものですが、それが誰にとっても、いつでも良いとは限りません。

例えば、あざや出血の可能性、血が止まりにくくなる場合もあります。
ですので、手術前には飲むのを控えた方が良いとか、いろいろあります。

以下の薬は血液が固まるのを遅らせますからアルジュナと相互作用をする可能性がありますので、服用される際には注意が必要です。

アスピリン、クロピドグレル(プラビックス)、ジクロフェナク(ボルタレン、カタフラム、その他)、
イブプロフェン(アドビル、モトリン、その他)、ナプロキセン(アナプロックス、ナプロシン、その他)、
ダルテパリン(フラグミン)、エノキサパリン(ロベノックス)、ヘパリン、ワルファリン(クマディン)などがあります。

薬は、体の中に入ると主に肝臓での酵素の働きで変化・分解されるものがあります。

その酵素の中にシトクロムP450(Cytochrome P450)、略してCYP(シップ)と呼ばれる水酸化酵素のグループがあります。

異物(薬物)代謝における主要な第一相反応の酵素です。

肝臓において解毒を行うほか、生物の正常活動に必要な反応に広く関与しています。

CYPはアミノ酸配列の相同性に基づいて分類され、40%以上相同のものをファミリー、55%以上相同のものをサブファミリーとして分類されています。

例えば「CYP1A2」の場合、最初の数字1は「ファミリー1」、Aは「サブファミリーA」、最後の数字2が特定の蛋白質を示します。

近年CYPに関する遺伝子研究が飛躍的に進み、CYPの遺伝的多型により各種薬物の代謝速度に個人差が現れることが解明されています。またCYPが関係した薬物の相互作用によって、CYP活性を誘導して代謝を早めたり、逆にCYP活性を阻害して代謝を遅くする例も見つかっています。

アルジュナは、このCYPのグループのうち、(CYP2C9)(CYP2D6)(CYP3A4)が関与する薬の分解を遅らせる可能性が示唆される研究報告があります。

ですので、これらの薬と一緒にアルジュナを服用すると薬の効果と副作用が変わる可能性があります。(薬の効果が強く表れる可能性)

しかし、上記のように酵素反応は個人差のあるものなので、具体的に、どのくらい薬の量を減らせばよいとか明示できるものではありません。ここでは、そういうこともあるのだという情報の共有だと思ってください。

抗うつ薬から喘息の薬、胃酸の分泌を抑えるものから、高血圧、抗糖尿病薬など、幅広く含まれます。酵素の型によって、分類してありますので、現在なんらかのお薬を飲まれている方は、ご自身の服用しているものがないか、一通り目を通していただいた方が良いかと思います。

(CYP2C9)により、肝臓で変化する薬には、
アミトリプチリン(エラビル)、ジアゼパム(バリウム)、ジレウトン(ザイフロ)、セレコキシブ(セレブレックス)、ジクロフェナク(ボルタレン)、
フルバスタチン(レスコル)、グリピジド(グルコトロール)などがあります。
イブプロフェン(アドビル、モトリン)、イルベサルタン(アバプロ)、ロサルタン(コザール)、フェニトイン(ジランティン)、ピロキシカム(フェルデン)、タモキシフェン(ノルバデックス)、トルブタミド(トリナーゼ)、トルセミド(デマデックス)、ワルファリン(クマジン)など。

(CYP2D6)により、肝臓で変化する薬には
アミトリプチリン(エラビル)、クロザピン(クロザリル)、コデイン、デシプラミン(ノープラミン)、ドネペジル(アリセプト)、フェンタニル(デュラジェジック)、フレカイニド(タンボコール)フルオキセチン(プロザック)、メペリジン(デメロール)、メタドン(ドロフィン)、メトプロロール(ロプレッサー、トプロールXL)、オランザピン(ジプレキサ)、オンダンセトロン(ゾフラン)、
トラマドール(ウルトラム)、トラゾドン(デシレル)、その他。

(CYP3A4)により、肝臓で変化する薬には
ロバスタチン(メバコール)、クラリスロマイシン(バイアキシン)、シクロスポリン(ネオラル、サンディミュン)、ジルチアゼム(カルディゼム)、エストロゲン、インジナビル(クリキシバン)、トリアゾラム(ハルシオン)などがあります。

また、他にも オメプラゾール(胃酸の分泌をおさえるお薬)の分解を遅らせる可能性も示唆されています。

以上ご参考になりましたら幸いです。