ブリンガラージャ

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ブリンガラージャ 

和名 タカサブロウ(モトタカサブロウ/アメリカタカサブロウ)
学名 学名  Eclipta albaは Eclipta prostrata (L.)

アーユルヴェーダの古典書では
ブリンガラージャは長寿と若返りのためのハーブのグループ☆1の一つとされ、また血液の浄化・出血性疾患に使用されるハーブのグループ☆2 髪の毛に良いハーブ☆3、炎症とむくみを取るグループ☆4に数えられています。

☆1 ラサヤナ           アシュタンガフリダヤム
☆2 ラクタピッタ ☆3ケシャヤ  チャラカサンヒター
☆4 ショータハラ         スシュルタサンヒター

アーユルヴェーダの原則はヴァータ・ピッタ・カパのトリドーシャの
バランスをとることですがブリンガラージャはトリドーシャに素晴らしく働き
その均衡の維持に良いハーブとされています。

非常に多くの点で有用とされていますが、有名な点でいえば
ヘアケアのためのハーブとして、そして肝臓保護作用が強いことです。

ブリンガラージャの語源が ブリンガ黒=髪の毛 ラージャ 王=支配者 というくらいで
「髪の毛の支配者」の意味を持っているそうです。
ヘナなどで髪の毛をケアされる方も多くいると思いますが、その中にも「マカ」の名前で
含まれていたりもしますから、実はすでに使っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

天然のヘアトニックとしてほとんどのアーユルヴェーダ・ヘアケア製品に含まれていますから日本では髪の毛のためのハーブとして外用に使うことが有名になってしまいましたが内服でも優れた点が多くあります。

例えば、肝機能に良いことはすでにご紹介しましたが、水辺に生える薬草類には抗菌・抗ウイルス作用がつよいだけではなく、体内に蓄積してしまった重金属などを排泄する力が強いものが多いです。☆5 ブリンガラージャも湿地や水田などに生える野草で、様々な毒物から体を守ってくれるハーブ『ビシャグナ』(ビシャ=毒・グナ=払うもの)といわれています。

☆5 有害金属の排出能力についてはバコパやカランビー(ヨウサイ)、マコモなどが有名ですね(*^-^*))。水辺の植物はこのようにキレート(よくないものを挟み込んで排出する力)が強いものが多いですが、すでに成長の段階で、重金属を吸い込んでしまうこともあります。ですので、きれいな水辺で育てることがとても大切になると、私は感じています。)

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アーユルヴェーダでの使い方は他にも

・消化のプロセスを助け、アーマを減らす。

(サポニン・タンニン・ビタミンAが豊富で、徳川 3 代将軍家光公も
このタカサブロウのおひたしがたいそう好物だったようです。
中医学では収斂性があり強壮作用に優れ、肝腎陰虚や陰虚内熱など過熱傾向にある体質や
不正出血などの緩和に使われ、更年期にありがちな不定愁訴の緩和にも役立つとされているようです。)
https://www.ozaki-kanpo.net/product/kanrensou/ 参照

・視力の弱い人には非常に効果的なハーブとされている。

(中医学でも眼底出血,眼部の疾患の治療及び各種の出血性疾患の治療などを目的に用いられています。)
http://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/flower/H1409.html

また,日本および熱帯地方でも,ただれ目も治療,止血などに使用します。
日本名タカサブロウの語源はいくつか推定されていますが、そのひとつは目のただれをタタラビとよび、それを治す草ということでタタラビ草、それが転訛してタカサブロウになった という説もあります。(*タタラビを皮膚のただれとする説もあります。)

・血液の浄化に優れている

(中国では涼血,止血,補腎,益陰の作用を持つとされる)

以上()内は中国医学での使われ方。 アーユルヴェーダでの評価ととても重なるところが多く説得力がありますね(*^-^*)

・歯・骨・健康な爪。肌にも良い。

歯はアスティー・ダートゥー(骨組織)のウパ・ダートゥーで髪の毛や爪はアスティーダートゥーのマラだからアスティ―・ダートワアグニを刺激するのではないかと思われます。
ということは、次にくるマッジャ・ダートゥー(骨髄・神経組織)にも影響ありそうですよね(*^-^*)

(ここはアーユルヴェーダの理論を勉強した方でないと何を言ってるかわからないと思いますが許してくださいね m(__)m)

ということで、文献を調べてみると

「骨・歯・髪の毛・視力・聴力・記憶力を維持し、若返らせるのを助けます。 ピッタ体質及び肝臓の若返り材です。~中略~ 過剰な活動から精神を休ませ、深い眠りを促します。
多くの点でツボクサと似た性質があります ~後略   
『アーユルヴェーダのハーブ医学』参照

と、いうことで、マッジャダートゥーにもその効果が及ぶことが書かれていました。

では あらためて

アーユルヴェーダでの ブリンガラージャの分析

ラサ  カトゥ(辛味) ティクタ(苦味)
グナ  ルクシャ(乾燥) ラグー(軽)
ヴィールヤ ウシュナ(温性)
ヴィパーカ カトゥ (辛味)

辛味、苦み、乾燥性、軽性からカパドーシャを、
ウシュナ から ヴァータのバランスを取る。

kasa hara 咳を和らげる
Sula hara 痛みを和らげる
Kushta hara 皮膚病に役立つ
Shotha hara 優れた抗炎症ハーブ 腫れ、赤みを和らげる
ラサヤナ 若返り
krimighana 抗寄生虫
pandunut 貧血、肝疾患の初期段階で役立つ。
vishaghna 抗毒性 血液を解毒 中毒に役立つ
Vranahara 傷口に役立つ
Netrya 目に良い 視力を改善

種子は媚薬作用

ペーストは 傷みを軽減し創傷治癒。
汁は感染症や痛みを和らげるため、点耳薬に。
白髪や抜け毛、頭痛に 点鼻薬として。

現代医学での調査

育毛促進作用
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19481595/
タカサブロウのメタノール抽出物が発毛促進剤としての可能性

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30757935/
EP(Eclipta prostrata)が毛包の成長を促進し、FGF-7とFGF-5の調節を通じて髪の成長を促進する可能性がある

タカサブロウの抗がん作用についての論文もいくつもあります。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26672742/
タカサブロウ(CFEA)の経口投与は、in vivoでの潜在的な抗乳がん効果を提供するだけでなく、腫瘍によって誘発される肝腎毒性を軽減します。
同時に私たちの研究は、CFEAを介した乳がんの抑制に対する新しいメカニズムの洞察を提供し、さらなるトランスレーショナルリサーチのための新しい道を開く可能性があります。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28250894/
Eclipta alba のアルコール抽出物は、毒性効果を示さずにinvitroで抗酸化および抗癌活性を示します

他にも
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31116703/
この植物は多様な神経薬理学的プロファイルを持ち、その抽出物は認知障害を改善し、てんかん発作も軽減。

などなどたくさんあって、とても紹介しきれません。
ですので
以下のサイトでは、これまでにされてきた調査を横断的にみることができます。
以下に項目だけ紹介させていただきますので、興味のある方は見に行ってみてくださいね(*^-^*)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8615741/
Eclipta prostrata、Eclipta albaの 植物化学、伝統的使用、生物活性、薬理学的活性など

民族医学的用途

皮膚の問題、黄疸などの肝臓の問題、胃腸の問題、喘息などの呼吸器の問題、
および発熱、脱毛、髪の白化、切り傷、傷など

現代医学での確認

抗酸化活性・抗菌活性・肝保護活動・抗高脂血症活性・脳保護および神経系関連の活動
抗糖尿病/抗高血糖活性・抗がん作用・育毛促進・免疫調節活性

ただし、これらの実験はin vitro および in vivoの方法で行われ、
作用機序は動物モデルにおいて詳細には調査されていません。
将来のE.prostrataの安全性と有効性を評価するには、適切に設計された臨床試験が必要です。

とされています。つまり、伝統医学や民間伝承で、いわれてきた作用が現代医学でも確認できたという話ですが、その作用を治療の場面で使い、効果を確実に発揮するためにはまだまだ試験が必要ということです。

使用方法も、すべてがただ お茶にして飲めばいいという話ではありません。 
ですので、ここに記した効果や効能は、もだま工房のお茶を飲めば すべてOKという話ではありません。 

もし、あなたや、あなたの大切な人がすでに疾患を抱えているとしたら、まず、ハーブに頼らずにお医者様に見せてください。そうして、急性期を乗り越えて、改めて、生活習慣の見直しや体質の改善、予防のためにハーブに親しんでいただけたら幸いかと存じます。